堕落詩

□「風の記憶」
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風が水面を揺らし
波紋を作って
私に迫ってくる

この風が
私を過ぎ去って
貴方の元へ
遠くにいる貴方の元へ
吹き付ける日がくるのなら
寂しさも
不安定なこの感情も
少しは落ち着いてくれる気がするの

だって同じ風が
私の匂いや
涙の記憶を
貴方の元へ運んでくれたなら
もしかしたらだけど
貴方は私を一瞬でも思い出してくれる
そんな些細な期待を
小さな願いを
風が抱かせてくれるから

風が草花を揺らし
さわさわと音を立て
私に迫ってくる

この風が
私を過ぎ去って
貴方の元へ
遠くにいる貴方の元へ
吹き付ける日がきたのなら

その時はお願い
少しでいいから
一秒でいいから
私の事を思い出して下さい







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