変わらないのは空の色

□act-2.
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そしてまた、あなたの手を汚していく―――


 act-2.
  〜イラナイモノ達〜


大人しくタルタロスの客室で、ルークは座っていた。
自己紹介も済み、一通り話も聞いた後、ルークはしばらく悩むふりをした。

「……それには、俺の地位が必要なんだな?」

「やはり聡いですね、噂とは違う」

眼鏡の奥で光る血色の目に、ルークはゴクリと息を呑んだ。
見透かされないように、気をつけなければ。
その時は、ジェイドにばかり目が行っていた。

「う…噂?」

「あぁ、気にしないでください」

にこりと胡散臭い笑顔で言われ、訝しむような表情を向けるが、それは無視された。

「この平和協定を、確かなものにするため、あなたの協力が必要なのです」

ジェイドの側に立つ導師イオンが、ルークを見て言った。
またしばらく黙り込んだ後、ルークは渋々、といった具合に頷いた。

「どっちにしろ、タダじゃ帰してくれなさそうだしな。協力する」

そう言ったとき、外から何かが爆発するような、異様な音が聞こえた。

……きた。
もうすぐ。もうすぐだ。

ルークは誰にも見られないように、そっと笑った。





 
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