空色の本
□それでも地球は回ってる。
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世界の終わりは突然やってきた。
ビルに挟まれた空のど真ん中、そいつはいる。睫毛ばっさりのぎょろりとした目玉に、外人くさい鷲っ鼻、分厚い唇がにんまり微笑んでいる。
ハロー、エブリバディ。お前らの地球を頭っからゴリガリボリっと丸かじりしてやるから覚悟していやがれ。
無言で空を見上げていた僕の横を、スーツを着たおっさんが額の汗を拭きながら通り過ぎていく。
…僕も学校へ行かなきゃ。
アスファルトの上に張り付いた薄汚れたガムが恐怖の大王に同情して囁いた。
人生、そんな日もあるさ。