黒色の本

□月に唄う 忘却の彼方
1ページ/12ページ

 暗幕を垂らしたような夜空の、暗い暗い光の下、人々に打ち捨てられた街は、静かに寂しげに広がっている。
 上半分が食い千切られ、鉄骨の露になったビルの死骸。
 悼むように慎ましやかに、光るネオンは点々と。
 今日もネズミは何処やら。
 明日の僕らは何処やら。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ