黒色の本
□月に唄う 忘却の彼方
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暗幕を垂らしたような夜空の、暗い暗い光の下、人々に打ち捨てられた街は、静かに寂しげに広がっている。
上半分が食い千切られ、鉄骨の露になったビルの死骸。
悼むように慎ましやかに、光るネオンは点々と。
今日もネズミは何処やら。
明日の僕らは何処やら。
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