黒色の本

□puppet moon
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暗く湿った屋根裏部屋の中。

そこは僕の部屋であり、僕とネズミが出会った場所でもある。

ある日、母さんに叱られて屋根裏部屋に閉じ込められた夜、毛布に包まって空腹に耐えていた僕にネズミは話しかけてきた。

“よお、エーミール。”

ネズミは僕を孤独という檻から救ってくれた。

泣いている時には慰め、迷った時にはアドバイスをしてくれた。

そのうち、他の友達もできたけど、一番の親友はネズミだった。

ネズミは僕にとってかけがえの無い存在だった。
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