シンフォニア・アナザー

□LOAD:3 旅のハジマリ
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ユリトの家は、村の外の森を越えたその先にある。もちろんそこで食料などは手に入らないので、イセリアの店で買い物をしてから帰ることにした。




買い物を済ませて、紙袋を抱えて村の外に出ようとすると、何やらイレーヌとシイナが話し込んでいるのが見えた。


「あっ、ユリトさんちょっとー!」

「?」



シイナに呼ばれて行ってみると、イレーヌが苦笑いしながら切り出した。



「今日、予言の日って、ライナの誕生日でしたよね。それで、ユリトさんとかフリックさんが忘れてるんじゃないかな〜って思って…」


「で、実際のトコは?」


「………………あ。」







その後、プレゼントなどはどうすればと散々考えた結果、各自家に帰ってから急いで作り、明日の旅立ちの前に渡すことにした。


ちなみに、イレーヌは神託のごたごたで忘れていた、シイナは覚えていてクッキーを作ろうと試みたが見事に失敗したらしい。


















「やっと着いた…」


聖堂を横目に森を抜け、着いた先には大きな異国風の屋敷があった。

庭には、屋敷にはあまり似合わない十字架が2つ、寄り添うように立てられていた。



「師匠…」



ユリトは十字架の傍に歩み寄り、少しだけ口元に笑みを浮かべて膝をついた。



「只今帰りました」



頭を下げ、それだけ言うと、傍に自生していた美しい花を数本つんだ。二人分の名前が彫られた石碑にそっと置いて、屋敷の中に入っていった。






食事をとり、明日の身支度をし、剣術の鍛錬をし、風呂に入り、剣を磨き………。




ライナのプレゼントを考えなければ、とようやく思い出した。



何にしよう…。
………………………。

…思いつかない。


そういえばシイナがクッキー作ったけど失敗したって言ってたな…。
ライナは…食い物、好きだったか。

よし…。
クッキーでいいか…。






数十分後、イセリアの村人数名が、ユリトの家の方角から黒煙が上がるのを目撃したらしい………。




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