シンフォニア・アナザー
□LOAD:4 砂漠の花にて
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「あっっつい……」
じりじりと照りつけてくる太陽、むあっとした生暖かい風。
揺らいで見える蜃気楼に、見渡す限りの、砂、砂、砂砂砂砂…。
一行は最初の封印である火の封印を目指し、南の砂漠の地のど真ん中を歩いていた。
LOAD:4 砂漠の花にて
「あ〜っつい!!あついあついあついあついあついぃぃい!!!!!!」
ライナが疲れ果てた顔で叫んだ。
「ねぇ〜街とかにはまだつかないのぉ〜?私もうクッタクタなんだけどぉ…」
「お姉ちゃん、さっきからそれしか言ってないよぉ…?」
「あんたもさっき、私と同じこと、言ってたくせにぃ…」
ライナとシイナは、かれこれ二時間以上、このやり取りを繰り返している。
「てゆーか、なんでここはこんなに暑いのよ!?ねぇイレーヌ!!」
いきなり話を振られて『ふぇ!?』と変な声を出してしまい、イレーヌは顔を赤らめた。
「…えっと、この地域には、火の精霊のイフリートが眠っているっていわれているの。確か、旧トリエット跡だったかな?」
そのイフリートのマナの熱のせいで暑いんじゃなかったかしら?と、シゼルが付け足した。
「あ、もしかしてそこって…」
フリックの言葉に、あぁ、とユリトが同意する。
「そこが俺たちの目的地、火の封印がある場所だ。どんどん暑くなってるのも、そこに近づいてるのが原因だろう」
ユリトの言葉を聞き、ライナの瞳がキラリと輝く。
「じゃあ、じゃあもうすぐ着くって事!?あぁ〜やっと休めるぅ〜!」
神子がそれでいいのか、と、一同は溜息をつきながら笑った。
「とりあえず、今日は一度街で休んで、明日改めて、封印を解くことにしましょう。皆それでよろしくて?」
シゼルの問いかけに、反対する者は誰一人いなかった。
一行はそのまま、“砂漠の花”と呼ばれる街、トリエットを目指した。
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