シンフォニア・アナザー

□LOAD:3 旅のハジマリ
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「何でだよ!!」



イセリアの一角にあるライナとシイナの家から、大きな声が響く。



「俺もついて行ったっていいじゃねぇかよ!!」



声の正体はフリックである。
自分も世界再生の旅について行くと言ったのを、ユリトや村長に真っ向から反対されたのだ。





「アンタじゃ足手まといになりかねないからだ。聖堂での戦いとは訳が違うし、うっかり魔物の巣に入って追われるようなことになる奴が、旅について行ける訳が無い」


「ユリトの言う通りじゃ」


「〜〜〜〜…」


苛立ちを抑え切れないフリックに対して、ユリトは当たり前のようにこちらを真っ直ぐに見ている。

本人はそのつもりは無いのだろうが、その目は鋭く、睨んでいるようにも見える。



「神子様の再生の旅の護衛役は、シゼルとユリトに頼むことにした」


「だから!!何でユリトがよくって俺は駄目なんだよ!?」


「フリック…口を慎みなさい…ハァ…」



シゼルに言われてようやく黙ったが、まだ全く納得は出来ていなかった。




「さあ、私たちは今から打ち合わせがありますから、貴方達はもう帰りなさい」


ユリトは荷物もしておくこと、と付け加えられ、フリックはまたも怒鳴りそうになったが、神経を総動員してぐっとこらえた。



















「あ゛〜納得いかねぇ!!」

「…でも、もう決まったことだし、アンタは旅にはついて行けない」

「じゃあ勝手について行くまでだ!!」

「オイオイ…いいのかよそれ?」

「大体この旅で一番偉いのはライナだ!神子の許可が下りればついてっても文句ねぇよな!?」

「…もう好きにしろよ…」

「よし!じゃあ俺、今からライナ説得しに行って来る!!」

「あぁ…(行動早いな…)」





フリックはそのまま、またライナの家に一直線に走っていった。



(…出来る限り…皆を危ない目に遭わせたくないんだが……フリックはしょうがないか……)




ユリトはそう思いながら、ライナの家の前を後にした。




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