銀魔剣
□序章
1ページ/2ページ
私は、生まれたときから銀魔だった。
だから、誰の為でもなく、自分の為だけに生きてきた。
同種の銀魔もいたけど、私には関係ない。
私は独り。
他人の為なんて知らない。
己を守り、己で生きる。
―――それが銀魔。
人間を襲うのは仕方ないこと。
相入れない存在だから。
独りは寂しい。
銀魔はそんなこと考えない。
考えても仕方ない。
でも何をしても味気ない。
それは寂しいってこと。
だから、人間を喜ばせてみたり、驚かせてみたりする。
人間に姿を見せる銀魔は、退屈で、気まぐれで、人間に興味がある。
私もその一人。