銀魔剣
□2【迷子の雪女】
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2【迷子の雪女】
公希の一言に、みんな立ち尽くす。
全員総立ちで静まり返る教室は、不気味だった。
公希以外、みんな固まったように動かない。
そんな中、泣きたいのか笑いたいのかわからない、曖昧な顔の公希が再び声を出す。
「…なんで、みんな固まるわけ?」
いや、お前こそ、何当たり前な質問してくるわけ?
誰かが教科書をばさりと落とした音が響く。
「お前…何言ってんの?」
待っても誰も口を開く気配がないから、オレが思わず聞き返してしまった。
公希がオレに焦点を合わせる。
「…だよな?」
まだ質問の答えを返してないのに、納得したような公希。
「なんでそんなこと聞くわけ?」
きっと今のオレの顔はひきつっていることでしょう。
「コウキ…見たの?」
圭吾がオレの後ろから公希に聞いた。
…だからナニをだよっ!
「赤い雪…見たの?」
コクン…
公希は、微かに頷いた。