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□遠距離と近距離
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◇◇◇◇◇
すっかり辺りが暗くなってしまった19時―、俺はルキアを抱きかかえて朽木家の門の前にいた…
はっきり言って、肩がかなり重い。これから白哉に会うだろうというプレッシャーで…。だが、仕方ないだろう。ルキアをあのまま隊舎の机で寝させていたら風邪をひくだろうし、浮竹さんの言うように疲れもとれないと思う。
“朽木をちゃんと布団で休ませたいんだ。このままじゃ疲れもとれないしね。白哉には、連絡を入れておくから朽木家までうちの副隊長を送り届けてくれないかな?”
そんなわけで、朽木家まで着いたはいいが…果たして大丈夫なのか…
義妹を猫可愛がりしているあの義兄に桜で切り刻まれることがないとよいのだが…
そんな想いを胸に門をくぐると、使用人と思われる人達がズラリと出迎えている。
みなが一斉に礼をした―。
「黒崎様、お話は伺っております。ルキア様のお部屋にご案内致しますので、どうぞこちらへ」
促されるままルキアの部屋へ通されると、…なんというか…ルキアがすぐ休めるように準備万端。
部屋の中央に布団がすでに敷いてある。
「黒崎様、ルキア様をこちらへ」
「…あ、ああ」
それだけ言って、所謂お姫様抱っこ状態だったルキアを布団の上に降ろしたのだが、すぐ困った事態に。
眠ったままのルキアの左手が俺の死覇裝をぎゅっと掴んでいて、離さない…
使用人である二人の女の人もこれには困った様子…
ルキアの左手を何とかしたいのだが、やはり…はずれない…。
「……困りましたね…これでは、ルキア様を寝着に着替えさせることも出来ませんし…黒崎様を別室にご案内することも…」
俺はこのままでもいいのだが、この二人はそういうわけにもいかないだろう。
彼女達が顔を見合せ考えているところで、スッという音とともに襖が開いた。
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