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□遠距離と近距離
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◇◇◇◇◇
十三番隊舎に着くと、すぐに見慣れた人達に会った。
確か、十三番隊の三席の二人だ。名前は―…なんだったっけ?ん〜と…
「あっ!黒崎一護じゃないの…!」
「オオっ、久しぶりだな!朽木なら奥にいるぞ」
名前を思い出そうとしていたら、先に声をかけられた。
「お久しぶりです。奥に入っていいですか?ちょっとルキアに会いたいんですけど」
「ああ、大丈夫よ。何か言われたら、三席の虎徹から許可を貰ったって言っていいから!」
「ちょ〜っと待ったッ…!そこは、“三席の小椿からの許可を得ている”の方がすんなり通れるだろう!そう言っておけ…!」
「アンタ何言ってんの!?んなわけないでしょ…!むしろ私の許可が出てる、の方が素早く通れるわよ!」
「アァ!?んなわけねーだろ…!俺様の方が隊員達に一目置かれて‐「あのっ…!!許可がお二人からいただけたようなんで、俺もう行きます。有難うございました!”」」
ヒートアップするのが確実な二人の言い合いに割り込み、なんとかお礼を言って俺は走った。
(この二人は言い争い出したら止まらないってルキアが前に言ってたしな。こんなトコで時間を割きたくねぇし。)
霊圧をたどり、ルキアがいるらしい部屋の扉をそっと開けると、そこには浮竹さんとルキアがいた。
ただ、ルキアは執務室の机に突っ伏したまま、眠ってしまっていたけれど―。
「今晩は、一護くん。よく来たね」
「こんばんは、浮竹さん。ご無沙汰してます」
「ああ、本当に久しぶりだ。しかし、すまないね…長らく朽木をこちらに拘束してしまって。ずっと会いたかったんだろう?」
浮竹さんにそう言われるとなぜか嘘がつけなかった。普段の俺なら“そんなことない”って言うだろうに、どうしてもそれが言えなくて、言葉に詰まった。
「それは…、」
「朽木も会いたがってたよ、ずっと」
その言葉に、思わず下を向いていた顔を上げてしまう。
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