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□新春恋模様
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◇◇◇◇◇


斯くして俺は、初めて正月という時期に尸魂界に来ている。
勿論まずはルキアの実家である朽木家に直行なわけだが、何回見ても荘厳だというか、でかさも半端ない。



「お帰りなさいませ、ルキア様」


ずらりと並んだ使用人達にそう言われたルキアの振る舞いは、どこからどう見ても気品漂う、現世でいうところのお嬢様のようなものだった。


「ただ今戻りました。着替えた後、白哉兄様のもとへ挨拶に伺おうと思うのですが、兄様は自室にご在室ですか?」


「はい、先程まではお客様がご挨拶に見え応対しておられましたが、今は自室の方にいらっしゃいます」


「わかりました。一護?」


ルキアは振り向くと、呆気にとられていた俺を見ながら名を呼ぶ。



「あ、いや、なんでもねえ…」


すっと俺の手をとったルキアに、その場にいた者はやはりかなり動揺していた。
それでも、この尸魂界では俺を知らないヤツの方が少ない。
朽木の家に仕えている者なら尚更だ。
ルキア処刑のあの一件から朽木家で俺を知らないヤツはいないだろう。

しかし、いくら俺がルキアの処刑を止めたといっても、この場にいるヤツらから見れば、俺は人間の、しかもどこの馬の骨ともわからないヤツだと思われてんだろうな。
実際、今し方ルキアが俺の手を握った瞬間、使用人達の顔つきが変わった。
朽木の娘であるルキアに軽々しく触れることなど本来なら許されないのだ、と言いたげなように。


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