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□刻む時間とともに増えていく彼女とのこと
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一つ、また一つと増えてゆく。
刻む時間とともに増えていく彼女とのこと
そもそも一番最初は理解不能だった。
何がってアイツの行動・言動、アイツのすべてが。
そりゃ、ルキアは死神だし生きてきた世界そのものが違うからだろ、と言われたら、確かにそうだという部分もある。
でも、得てしてルキアは俺の周りにはいないタイプの女で、異彩を放つ存在だった。
それもそのはず。
アイツは根本的に今まで俺が接したことのある女とは違っていたから。
普通は、このオレンジの頭を見て怖いと思ったり、ヤンキーとやたら喧嘩してる、など数ある噂を聞いて極力俺には近寄らない。
少なくとも、俺に物怖じもせず近づいて質問ぜめにするなどコイツくらいのもんだ。
「一護、これは何だ?」
制服のシャツの裾をクイクイ引っ張るルキアを見てその質問に答えた後、思わず口を開いて言っていた。
「オマエ、俺と四六時中一緒にいる気か?つか、俺のコト怖いとか思わねえのかよ?」
「怖い?なぜ貴様を怖がらねばならぬのだ?家族を命がけで守ろうとする、そんなヤツのどこが怖い?任務のことも勿論あるが、私は貴様といたいから一緒にいる。それだけだ」
そんなことを当たり前のように言う。
コイツは違う、今まで接してきた誰とも。
例えば、たつき―、アイツは俺を小さい時から見てるからああやって俺と付き合うし、話すけど、コイツはまだ俺と出会ったばっかだぞ?
なのに―…、
わかんねえヤツだな、って。
最初の頃はそう思ってた。
そして、ルキアの押し入れ生活が始まってわかったことがある。
コイツは俺を振り回す、天才だ―。
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