空想

□「これからも、ずっと・・・」
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のだめ、今日は一大イベントがあるんデス!!
そう、今日はバレンタインデー。
大好きな真一君に愛情たっぷりのチョコをあげるんデス!!
でも、のだめは料理が苦手なので、奮発して人気のお店のチョコをゲトしました。
先輩喜んでくれるかなぁ・・・

のだめも先輩もガコとマルレがあるので、夜に先輩がのだめの部屋に来てくれマス。
楽しみデ〜ス!!

rururu・・・

のだめの携帯が鳴り、見ると千秋からの着信だった。

「はい、のだめです。」

『もしもし、オレ。』

「あへ〜〜。先輩デスか?今日、何時ころ来マスか?」

『のだめ、ごめん。ちょっと事務所でトラブっちゃって、今日行けそうにないんだ。』

「え?!・・・先輩・・・今日何の日か知ってマスか?」

『・・・うん。ホントごめん。今度埋め合わせはするから。』

「今度っていつですか?」

毎度の事デスが、最近の先輩はいつもこんな感じ。大事な時に会えない・・・

『ホント悪い。また連絡するから・・・』

そう言い残して、電話が切れた。

ぎゃぼん!!酷い!先輩ひど過ぎデス!!
もう、のだめも我慢の限界デス!!ムキー!

こうなったら、やけ食いデス!先輩に買ったチョコデスが、全部のだめが食べちゃいます!!

そうして、のだめは千秋へのチョコを全て胃袋に収めてしまった。

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「チアキ、奥さんなんだって?」

トラブルの原因のテオがおずおずと聞いてきた。

「ったく、誰のせいでこうなったんだよ!!」

「ス、スミマセン・・・」

「いいから、とっととかたすぞ。」

毎度のことだが、計画性のないテオのおかげで、貴重なのだめとの時間がなくなってしまった。
今頃、怒っているんだろうな。アイツ・・・今晩だけでなんとかなる量じゃないし・・・
でも、なんとかしてみる!アイツの泣き顔だけは勘弁だから。

怒涛の速さで膨大な量の楽譜の消しこみ作業をし、休む間も惜しんで千秋はどんどん片づけていった。

やったぞ!!オレはやったぞ!!

明日までかかると思われた作業は千秋の気合でなんとか終わった。

今何時だ?・・・1時か・・・今からでも行くか。のだめの奴、不貞寝しているんだろうなぁ。

帰り支度を済ませ、机に寝ているテオに毛布を掛けてやり、のだめの家へ急いだ。


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見慣れた階段を一段飛ばしで駆け上がり、のだめのもとへ急ぐ。
合鍵を使って中に入ると、案の定、中は真っ暗だった。

入口のすぐそばにあるベットの膨らみを見て、ほっと安堵した。
ベットの傍までより、覆いかぶさるようにふとんの上からのだめを抱きしめた。

「のだめ、ただいま。」

もそもそとのだめが動き、思い瞼をこすりながら、抱きついてきた。

「ふぇ?しぇんぱい?今日はお仕事だから来れないって言ってまセンでしたっけ?」

眠気が覚めないのだめは、夢デスか?なんていいながら、オレにすり寄ってくる。
そんなのだめが、可愛くて、愛しくて、思わず強く抱きしめた。

「ホントゴメンな。せっかくのバレンタインだったのに・・・あっ、そうだ、これお土産。」

そう言うと、千秋は小さな花束となにやらお菓子らしい包みをのだめに渡した。

「・・・ありがとうございマス。・・・あの・・・実は先輩に謝らなければならないことが・・・。」

「ん?どうした?」

できるだけ優しく聞いてやる。

「あの、あのデスね・・・えっとデスね・・・怒りまセンか?」

歯切れの悪いのだめは、俯きながらモジモジしている。

「多分。」

「むぅ・・・。先輩にチョコを上げようと思って、準備したんデスが、あまりの怒りと空腹感にたえきれず、のだめの胃袋に収まっちゃいマシタ・・・」

「はぁ?全部?」

「・・・今日先輩が来るとは思わなかったので・・・。」

「お前ひでぇ。楽しみにしてたのに・・・。まぁ、オレも悪いし、しょうがねえな。」

「うぅ、のだめもうちょっと我慢すればよかったデス。ゴメンナサイ・・・」

目に涙を溜めて、オレを見上げるその顔は反則だろ。しょうがないといいつつ、正直のだめからチョコを貰えないのはショックだ。
でも、オレのために用意してくれてたんだと思うと、嬉しくなった。
そんなのだめに、軽くキスを落とすと、はにかむようにほほ笑んだ。

「じゃあ、明日ピアノ弾いて。チョコの代わりに。」

「はい!!お安いご用デス!!」

そうして、疲れ果てたオレを癒してくれる笑顔は、最高の贈り物だよ。
来年もその次も、これからも、ずっとその笑顔をオレに向けてほしい。
毎年、楽しみにしているから。


end




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なんか締まりのない終わり方でスミマセンスミマセン。。
VDと思い出し、急いで書いた感はあります。
でもせっかくなので、アップしちゃいました。(てへ)

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