sweet

□猫
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「………お前、まさかとは思うけど。こいつどうする気だ?」
怒気をはらんだ声に首を竦めつつ
「織姫のアパートに……」
「ダメだ!」
みなまで聞かずに日番谷は言い切る。
「え〜」
「え〜じゃねぇ!膨れっ面したって無駄だ!井上の好意で居候しといて、そんなのまで連れて行けるか!」
「大丈夫ですよあたしが面倒見ますし」懐に携帯しますよ!フワフワで温かいんです。もう一度懐に入れそうな手から仔猫を取り上げる。
「バカヤロウ!アパートとやらでは動物が買えないんだろう!!」
「…あ」
ペットを飼いたくてもアパート追い出されるからダメだと、寂しそうな顔で話していた織姫を思い出す。
「分かったら元居た場所に戻すぞ。どこに居たんだ」
日番谷の腕に大人しく収まる仔猫は、己の運命どこ吹く風で、その骨ばった手に小さな舌を当てる。
日番谷とて良心が痛まないわけではない。しかし、織姫に預かってもらったとして、それから?生なる世界で生きる仔猫と死神の自分達では所詮生きる世界が違うのだ。
それは一護達にも当てはまる事。再確認させられる出来事に苦さが残る。
「……ません」
「あぁ?」
「拾ってません(>_<)」

しぶしぶ話す乱菊の話を要約すると、仔猫を拾った子供が、親を説得するまで預かってと託したらしい。

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