sweet
□雪ウサギ
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「じゃん」
「雪だるまも作ってみました〜」
「……」
白い指先真っ赤に悴ませて何がそんなに楽しいのか。
小さく舌打ちして、松本の手から小さい雪だるまを取り上げ、地面にそっと置く。
「……たっ……隊長」
「バカ野郎が。こんなに冷たくしやがって」
動揺する松本の細い指先を放さずに。
『はぁっ』
と己の息を吹き掛ける。氷の様に冷えた指先は一向に温まらない。業を煮やした日番谷は、休憩は終わりだ。
と。
一方的に切り上げて、隊舎に足を向ける。いつもなら横暴だのなんだのと、ウルサイ松本も大人しく手を引かれながら付いて来る。
顔を真っ赤に染めながら。