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□漂う
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自分の副官に良いようにあしらわれた。
彼女を憎む気持ちにはなれない。むしろ自分の子供さ加減に嫌気がさした。

天才児と持て囃されようが、所詮は松本を歓ばせる術を持たぬ子供の体でしかない。

あいつのかわりになれているのか?―――――――――………

自虐的な考えを払拭するように残務処理に力を入れる。

執務をこなし、意識の戻らぬ雛森を見舞い……松本を抱く。数日間の俺の生活は、海面を漂う流木みたいだと自分を嘲笑うしか術を知らない。
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