物語-弐
□『 初めての贈り物 』
2ページ/6ページ
それからも毎日剣心は出掛けて行く。
私はどうしていいかわからず、気づいたら剣心が出掛けるようになってから二週間。
「「剣心が浮気だぁ?!」」
私はついに堪えきれず、赤べこで働く弥彦の所に左之助と言って打ち明けた。
「だって、左之助といたって嘘つくのよ。それに女物の香水の香りがするの。」
必死に話すと、弥彦と左之助も考え出す。
「あぁ見えて剣心はモテるからな。」
「人から好かれる才能はピカイチだ。」
「不安になるようなこと言わないでよ!」
「よし!」
左之助が立ち上がる。
「明日、剣心を尾行しようぜ。それで何処に行って何をしてるか突き止めるんだ。」
「そうだな。薫、何があっても取り乱すなよ。」
「だ、大丈夫よ!」
そして私達は明日剣心を尾行することに決めた。
その日は左之助も家に泊まることになった。
そして次の日。
「じゃあ、薫殿。行って来るでござる。」
「行ってらっしゃい。」
いつも通り剣心は出て行き、いつも通り私は見送る。
「よし。行くぜ。」
「おう。」
「……………。」
「なにやってんだよ、薫。お前が気になってるから協力してやってんだぞ。」
「そうだけど…。」
「見失っちまうから急ぐぞ。」
「来い。」
「ちょっと、引っ張らないでよ!」