物語-参
□『 似た者夫婦 』
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「弥彦の母親みたいでござるな。」
「あの子は本当に手がかかるんだから。」
「薫殿は良い母親になるでござるよ。」
「そうかな。」
顔を少し赤らめている。
「剣心も良い父親になるわよ。」
「そうでござるか?拙者は良い父親にはなれないと思うでござる。」
「どうして?」
不思議そうに首を傾げる薫殿に笑顔で返す。
「拙者、息子が生まれた場合、薫殿と息子のあの姿にヤキモチを妬くでござる。」
「そんな、それにヤキモチって。」
「拙者、実は結構妬く男だと薫殿といて解ったでござる。」
「私も、結構妬く女よ。もう解ってると思うけど。」
「勿論。」と笑うと、薫殿も笑い拙者を叩く。
「私達、似た者夫婦になりそうね。」
「あぁ。似た者夫婦になるでござる。」