物語-弐
□『 大人の減量 』
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「「「「いただきます。」」」」
今日も左之助はタダ飯で四人の夕食。
山盛りによそられたご飯を、勢いよくかけこむ左之助と弥彦。
もうちょっと落ち着いて食べられないのかしら。
まったく。
「あっ、これ美味しい。」
「大根を買った時に聞き、初めて作ってみたでござる。」
「甘くて、味もよく染みてて美味しいわ。」
「喜んでもらえたなら、よかったでござる。」
剣心って、本当に料理上手だわ。
美味しくて、ついつい食べ過ぎちゃう。
「さすが剣心だな。美味ぇよ、本当に。」
「そんなに誉められると照れるでござる。」
「だから、嬢ちゃんが太ってきてるんだな。」
「私のどこが太ってきたって言うのよ!」
「やっぱり左之助も思うか?最近、薫なんだか肉付きが前よりよくなったよな。」
「弥彦まで何てこと言うのよ!」
「間違いねぇ!嬢ちゃんは太った!」
「え、えぇ……。」
確かに最近ちょっと感じたけど、まだそんなはず……。
「薫殿。大丈夫でござるよ。」
剣心の呼ぶ声も聞こえず、私は落ち込んでいた。
「嬢ちゃんの分はもらってやるから安心しろ。」
「お前の減量に協力してやるからよ。」
私……太ったのかな……。