物語-弐
□『 子供扱いしないで 』
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「持つでござるよ。」
「これは軽いからいいわ。」
「いやいや。」
「私の買物だからいいわよ。」
そう言っても、剣心はひょいと私が抱えてる荷物を奪った。
手ぶらになった両手がいき場をなくしていると、剣心は空いてる片方の手で私の手を握る。
「この方が人混みで見失わないで安心でござる。」
「私はそんなに簡単に離れないわよ。」
「薫殿にそのつもりがなくとも、人混みではうまくいかないでござるよ。」
剣心と繋がれてる手が温かい。
剣心は本当に優しい。
いつも私のこと、考えてくれて心配してくれて。
愛されるって、こんなに幸せなんだわ。