物語-弐
□『 変わりゆく心 』
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一人で歩く買物帰り。
茜空の下に映るは拙者一人の影。
一人で歩くのは、こんなに寂しかったでござるかな………。
薫殿に出逢い、色を失った世界はまた色を取り戻した。
そして、それは光輝く世界へと変わった。
笑顔。
声。
優しさ。
温もり。
全てが拙者を包み込んだ。
汚れた心を浄化してくれた。
━━━幸せにしたい。━━━
そう強く思う。
しかし、薫殿の傍にいれば危険な目にあわせる。
だから、この気持ちをハッキリさせない。
ハッキリとさせてしまったら、拙者は薫殿から離れられなくなる。