物語-弐
□『 涙雨 』
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━━また…流れるでござる━━
━━さようなら━━
「嫌だっ…。………また同じ…。」
また同じ夢。
剣心が居なくなる夢。
この夢が本当になる気がする。
剣心に会いたい。
「剣心…。」
剣心に会いたい。
会いたい。
会いたい。
「剣心っ……!」
居間に行くと、剣心が居ない。
台所にも居ない。
部屋かな…。
「剣心いるの…?」
声が聴こえない。
なんで。
何処…。
━━さようなら━━
違う。
夢でしょ。
剣心は居なくならない。
そうでしょ。
いつの間にか雨が降ってる…。
もしかしたら起きた時には降ってたのかな……。
雨音が響く。
「剣心っ…何処…。」