物語-弐
□『 男の本音 』
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しばらくして、唇を離すと薫殿は拙者をただ見つめる。。
きつく抱きしめる。
また何か言おうとしたが、声をかき消すように薫殿の身体の中に己の想いを突き上げる。
薫殿が頬を染め、甘い声を漏らす。
それが尚更拙者を誘う。
この先、この身体に触れるのは拙者だけでしかない。
この唇も拙者だけが奪っていい。
何度も何度も。
息切れしていようと離さない。
しばらくすると薫殿はパタッと静かになった。
「……失神でござるか…。」
そこで少し自分が戻ってきた。
安らかな顔で眠っている。
「すまない…。」
申し訳なくなり、寝間着を着せていく。
そっと身体を抱きしめる。
「本当に温かいなぁ。」