REBORN!
□優しくするのは君にだけ
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長い長い授業がやっと終わって、沢田が帰ろうと学校の玄関を出た瞬間だった。
ザァァァァ――…
「うわ…最悪だぁ…。」
今日は即行帰ってゲームのラスボス倒す予定だったのに…。
「どうしよ…。傘持ってきてないよぉ〜。」
今日は山本は部活だし、獄寺君は腹痛で学校休みだし…。
(しょうがない、雨が止むまで待っとこ。)
……掃除引き受けなかったらもう少し早く帰れてたかな?
ああぁ、最悪…。
「何してるの?」
「!!!!」
こっ…この声は…
「ひひひ雲雀さん!!す、すみません、すぐ帰ります!!!」
ヤバいっ、ずぶ濡れになっても良いから早く帰らなきゃ!!
雲雀さんに関わるとろくなこと無いんだから…!
「ちょっと待ってよ。」
ぐいっ
「ふぇっ!!?」
走り掛けた所を引っ張られて後ろに倒れてしまった。
……って
(うわあぁ!!!)
ひっ、雲雀さんに後ろから抱き締められてる…!!
(……あれ?)
ちょ……何コレ。
顔が…雲雀さんに腕を回されてる所が…熱い。
「あ、の…すみませ、ん、離して下さい…///」
うわ、なんか息苦しくて上手く喋れない…。
「あぁ、ごめんね。」
あ、雲雀さんが離れたら結構治まったかも…。
「えと、何か御用でしょうか…?」
「いや、傘は?忘れたの?」
「あ、はい。」
「しょうがないな。ほら、おいで。」
…………は?
「いやあの…え?」
「…傘。入れてあげるから。」
……………ええ!?
「いっ、いいですよっ!大丈夫です!」
「早くして。」
(う………。)
「はい…。」