REBORN!

優しくするのは君にだけ
1ページ/5ページ




長い長い授業がやっと終わって、沢田が帰ろうと学校の玄関を出た瞬間だった。



ザァァァァ――…



「うわ…最悪だぁ…。」


今日は即行帰ってゲームのラスボス倒す予定だったのに…。



「どうしよ…。傘持ってきてないよぉ〜。」


今日は山本は部活だし、獄寺君は腹痛で学校休みだし…。



(しょうがない、雨が止むまで待っとこ。)


……掃除引き受けなかったらもう少し早く帰れてたかな?


ああぁ、最悪…。



「何してるの?」


「!!!!」


こっ…この声は…


「ひひひ雲雀さん!!す、すみません、すぐ帰ります!!!」


ヤバいっ、ずぶ濡れになっても良いから早く帰らなきゃ!!


雲雀さんに関わるとろくなこと無いんだから…!



「ちょっと待ってよ。」


ぐいっ


「ふぇっ!!?」


走り掛けた所を引っ張られて後ろに倒れてしまった。


……って



(うわあぁ!!!)


ひっ、雲雀さんに後ろから抱き締められてる…!!


(……あれ?)


ちょ……何コレ。



顔が…雲雀さんに腕を回されてる所が…熱い。



「あ、の…すみませ、ん、離して下さい…///」


うわ、なんか息苦しくて上手く喋れない…。


「あぁ、ごめんね。」



あ、雲雀さんが離れたら結構治まったかも…。


「えと、何か御用でしょうか…?」


「いや、傘は?忘れたの?」


「あ、はい。」


「しょうがないな。ほら、おいで。」



…………は?



「いやあの…え?」


「…傘。入れてあげるから。」


……………ええ!?


「いっ、いいですよっ!大丈夫です!」


「早くして。」


(う………。)


「はい…。」




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ