□十二単
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宵闇傾く月の向こう











十二単の姫君










淡い薄紅の桜が












誰かを噂してるかのように











ざわざわ




ざわざわ




ゆらゆら




ゆらゆら




姫君を噂しているのだろうか












宵闇傾く月の向こう











行灯を照らして想ふ











姫がいつか我の元へ











叶うはずのない夢













時過ぎれば












この想いも
噂好きな桜のように












散って


践まれ


消えていくのだと思った








なのに



我の脳内では








うねうねと










別の生き物のように蘇ってくる









その度に











姫君との想い出も







伽殖され








鮮明に....









ただ
こんなに姫君を想っても
















逢いたいだなんて
そんな願い










闇に消されてしまうんだ






 

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