novel
□静けさは時に残酷で
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どこで間違えたんだろう
こんな変なヤツがこんなにも心に居座る…
ようやく気付いたこの気持ちも、早くも報われないものへと変わる
だって、
――オレはその人を、ハスタを殺したのだから
「バカなヤツ…」
ああ、本当に。
心からそう思う
今まで殺めてきた転生者の中でも、
こんなに幸せそうに死んだ奴なんて誰一人いなかったから。
オレだって、そんな幸せを感じたことはない
むしろ転生を悔いた日の方が多いくらいだ。
「お前がいなくなったら、オレ…っ」
どうすればいいんだよッ…!
血のにじむ冷たい頬をなでながら、ハスタの唇に己のを重ねる。
「好きだったぜ…お前のこと」
そう、好きすぎて言葉に表しようがない程
オレはコイツを愛してる。
ハスタの存在はきっと忘れない。
オレの心がある限り
ずっと…
ずっと生き続けるんだ
この想いと共に―――
(end)
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