Novel 1st

□鍋パーティ
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ピンポ〜ン


「あれ、先生どうしたの?」

「ん?鷹士からメールが来て呼ばれてな。今日、鍋なんだってな。家にあった野菜持って来てやったぞ」

「わぁ、ありがとうございます。助かります」

「よしよし感謝しろよ」

…なんて言って先生はヒトミの頭を撫でる。

先生、アンタも敵か?

敵なのか?

…俺は自ら敵を増やしてしまったのか!?

「お兄ちゃん…どうしたの?」

台所に戻って来たヒトミがガックリうなだれる俺に声をかけてくれる。

「ちょっと己のいたらなさに打ちのめされて…いや、なんでもないから大丈夫だ」

「……?」

「鷹士、具合悪いなら代わりにオレ様が手伝おうか?」

ハッ!

油断大敵とはこの事か!

「いや、全然大丈夫なんで先生はあっちでくつろいでて下さい。」

笑顔で追い払う。

俺のテリトリーに侵入するな。

こうなったらさっさと食わして帰らせてヒトミとゆっくりお茶でもして癒されよう。

「お兄ちゃん、先にガスコンロあっちのテーブルに持って行ってくれる?」

「あ、ああわかった」

敵の密集地ことダイニングテーブルにコンロを置きに行くと颯大が呟いた。

「ヒトミ先輩のエプロン姿可愛いなぁ」

「そうだな、まぁオレは同じクラスだし前に調理実習で見た事あるけどな」

「うわ〜雅紀先輩それを今言う?人が感動してんのにさ。ね、剣之助」

「別に…先輩はどんな姿でも可愛いし」

「お前ら若いなぁ、良いねぇ純情で」

「…何考えてんだよエロ保健医」

「ふっ、深水はお子様だなぁ」

「なに〜!」
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