Novel 1st

□帰り道
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帰り道・・・アイツは言った。

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「剣之助今帰り?」

校門を出たところで深水が声をかけてきた。

「どうせ同じ道なんだし一緒に帰ろうよ」

「あぁ」

一応了解したものの、俺はちょっとこの甘え上手な少年が苦手だった。

「ねぇ、剣之助ってさヒトミ先輩の事どう思ってるの?」

やぶからぼうに深水が切り出す。

「どうって…別に」

桜川ヒトミ先輩は気さくで優しくて俺の夢を応援してくれる大切な人だ。

唯一の女友達でもある。

でもそれを上手く説明できそうもなくてごまかした。

「ふぅん…まぁいいけど、ちなみにボクはヒトミ先輩が好きだけどね」

「………」

これは一応、宣戦布告ってヤツなんだろうか…。

つーかコイツいつもとキャラ違くないか?

「でも年下って不利だよなぁ」

「・・・そうか?」

「剣之助にはわかんないか」

そう言って横目で見る深水がなんかムカつく。

「それにしてもヒトミ先輩の周りはちょっと厄介だよね」

「先輩のアニキとか?」

「鷹士さんはさぁ、ラスボスっていうか最後の壁って感じ?」

「ふぅん」

確かに彼女の兄はシスコンの度を越える程、妹のヒトミを溺愛している。

妹に悪い虫がつかないように日々ガードは完璧だ。

彼女に近付くのは容易ではない。

「厄介なのはマンションの住人たちだよ。みんなヒトミ先輩狙ってるの見え見えなんだもん」

…それは俺も入ってるのだろうか。

先輩を狙ってる?俺が?

「まぁ一ノ瀬先輩と神城先輩は3年だからもうすぐ卒業だし良いとして、問題は2年の三人かな」

「時田先輩はわかんねぇけど木野村先輩とか華原先輩は結構桜川先輩と親しそうだしな」

「そうそう〜!あいつら超邪魔なんだけど、引っ込んでろっての」

コイツこんな奴だったのか。

「それにさぁ、あのエロ保健医もカンに障るんだよね、ヒトミ先輩にセクハラしすぎだし」

お前の抱き着き癖もある意味セクハラくさいけどな。
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