Novel 1st

□乙女ゴコロ
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乙女ゴコロ・・・口には出せないこともある。

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雑誌に載ってたナチュラルメイクを真似してみた。

メイクなんていつもはしないから頑張った方だと思う。

最近買ったお気に入りの服を着て鏡で何十回もチェックしたし…気合いも充分。

戦闘準備は完了!



ピンポ〜ン

『はい』

「あっ私、ヒトミだけど」

『ちょっと待ってて』

すぐに玄関のドアが開き大好きな彼の爽やかな笑顔が迎えてくれる。

「お待たせ、どうしたの?」

いつもより気合いの入った私の格好に雅紀くんは目を走らす。

なんだかちょっと緊張する。

「あのね、雅紀くんもう夕飯食べちゃったかな?」

「いや、まだだけど?」

そうだよね、まだ夕飯にはちょっと早い時間だし。

まぁそれも計画のうちなんだけど。

「今日ね、お兄ちゃん仕事で遅いんだ。良かったら一緒にご飯食べない?」

「うん良いよ。…ヒトミ今日はなんかお洒落してるしどこかに食べに行く?」

きたっ!

「あっ、私ね前から雅紀くんが良く行くお弁当屋さんに行ってみたいなって思ってたんだけど、どうかな」

何回も練習したセリフ…うまく自然に言えただろうか。

「弁当屋でいいの?せっかく可愛い格好してるのに」

わきゃ〜!

雅紀くんに可愛いなんて言われたら嬉しすぎる。

でも今日の計画はゆずれないわ。

「今日はお弁当な気分なの」

「ふぅん…」

雅紀くんの探るような視線がちょっと痛い…でも雅紀くんにしたらどうでも良い事だと思うしきっとバレないよね。

「じゃ家で待ってなよ。メニューあるし、オレが買ってくるからさ」

「それはダメ!」

「え?」

あわわわわ…思わず口に出ちゃったよ。

だって雅紀くんと一緒に行くことに意味があるんだもの。

「わ…私も一緒に行きたいな〜なんて。お弁当も見てから決めたいし」

「………いいけど、じゃあ行こっか」

うぅ…かなり怪しんでるかも。

ちょっと不自然だったかな。

でも言えない、お弁当屋の店員さんが雅紀くんにサービスするのがなんか気になるから彼女≠フ存在をアピールしに行くなんて…つまりただのヤキモチな訳だし?

そんなベタな乙女ゴコロ言えないよ。
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