パラレル Bleach

□Dear my sister?
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『Dear my sister?』・・・それとももっと別の何か?


*・*・*・*・*


「ごめんね、ごめんなさい」

遠くで声が聞こえる。

細く小さく震える声。

泣いてるのか?

お前が気にすることなんかない。

だから、泣くな

いつだって俺が護るから…







ある日の体育の授業。

体育館のコートを半分に仕切って女子はバレーボール、

男子はバスケットボールの授業を受けていた。

「織姫〜行ったよ」

「任せて!たつきちゃんっ」

「ナイスパス織姫!っうりゃぁ!!」

織姫が打ち上げたボールをものの見事に相手のコートに叩き込むたつき。

二人の絶妙なコンビネーションが体育館を沸かせていた。

そんな中、弾けんばかりの織姫の女子高生にしてはやや大人なスタイルは男子の視線をチラチラと集めていた。

だか当人はそのことに全く気付いていない。

「もぉぉぉ!姫サイコー!」

「うひゃぁ!」

背後から勢いよく千鶴に抱きつかれ慌てる織姫。

だた抱きつくだけじゃなく絡み付くような抱きつき方にちょっと、いやかなり戸惑う。

「ちっ千鶴ちゃん!?」

「イチイチくっ付くな!」

「ぎゃっ」

見事なコントロールで顔面にボールを当てられ千鶴が呻く。

解放された織姫はボールを投げた相手を振り返った。

「たつきちゃん!」

「さすがね…たつき、良いツッコミだわ」

「ツッコミじゃない!」

そんな相変わらずのやり取りの中、男子サイドから賑やかな声が上がる。

何事かと視線を這わすと何やら揉めているらしい。

数人の男子が取っ組み合っているようだった。

ガシャーン

突如、激しい音が体育館の中に響いた。

騒然とする中、織姫が目を見開く。

「…っ、一護くん!」

「え、織姫?」

何かに気づき必死の形相で一目散に走り出した。

その後をたつきも追う。

たどり着いた先、目の前の光景に織姫は息を飲む。

そして倒れている人の側へと必死に駆け寄った。

「一護くん!」

だが悲鳴に近い織姫の声がその相手に届いたかどうかは定かではなかった・・・。
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