パラレル Bleach
□Welcome
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『Welcome』・・・杞憂の心配
*・*・*・*・*
いつもの7時に始まる夕食。
遊子と夏梨が学校の話とかして時折俺や織姫に話を振ったりする。
でもって無理やり親父が参加して…。
そんな賑やか、もとい和やかな会話のふとした切れめに織姫が親父に問いかけた。
「お父さん。明日学校のあとお家に友達を呼んでもいいかな?」
まだ家に来たばかりの頃の織姫は敬語で話すのが常だったけど
親父が散々普通で良いと言い聞かせたせいか三年たった今じゃすっかり親しげな話し方に変わっていた。
「構わんぞ。たつきちゃんかい?」
「ううん、部活のお友達。まだ部の課題が終わらなくて教えてくれるっていうんだけど部室が明日は使えないから」
その言葉に俺は箸を止めた。
部活?織姫の部活って手芸部だよな。
う…なんだか嫌な予感がする。
「おい、織姫…まさかその友達って石田じゃねーだろうな?」
「すごーい!一護くんなんでわかったの?まだ言ってないのに」
やっぱりか…そんな気がしたんだ、なんとなく。
ってことは石田が来るのか?家に。
「その石田ちゃんってコはどんな子なんだい?」
何も知らない親父は呑気に構えてそんな質問をした。
可哀そうだがここは俺がハッキリ伝えといてやんねーとな。
「親父」
「なんだ一護」
「石田は男だ」
「…なっ!?」
思った通り親父は俺の言葉にショックを受けたようだ。
ガタンと席を立つ勢いで揺れたテーブルを夏梨と遊子が抑えおかずがスライドするのを止めた。
「あぶないなぁ…」
「なっなななななっなんだとぉ!本当か織姫ちゃん!」
「う…うん」
「ならーん!却下だ却下!」
「ええ〜?」
「可愛い娘にたかる虫どもをあえてこの家に上げるなど以ての外だ!同じ部屋で二人きりなんて1秒だってお父さんは許さーん!織姫ちゃんだけじゃなく夏梨も遊子もだ、覚えておけ!」
ゴオオオオオと親父の背後に火山の大噴火が見えるような気がした。
それくらい親父は取り乱していたってことだ。
「オッサン少し落ち着けよ」
「そうだよお父さん!お兄ちゃんもなんとか言ってよ」
呆れ半分の夏梨に半泣き状態の遊子。
っとにしょうがない親父だ。
ため息がでる。
「親父、別に課題やるだけなんだから構わなねぇだろ?」
「お父さん…本当にダメ?」
おっ出た、織姫の必殺技。
本人にその自覚がないからまた必殺技なんだけどな。
上目づかいに悲しそうに見つめられたらさすがの親父も
いや、娘ラブな親父だからかあっさりと撃沈する。
「……わかった…ならば織姫ちゃん、一つだけ条件を出そう」
結局親父は許してしまったのだった。