パラレル Bleach
□Happening
1ページ/7ページ
『Happening』・・・二人の距離
*・*・*・*・*
「いーい度胸だな黒崎兄妹!」
「「すっすみません…」」
クラス担任である越智先生は仁王立ちで俺たちの前にいる。
その俺たちと言えば静々と頭を垂れるしかなかった…。
それは約2時間前にさかのぼる。
「きゃー!大変っ!」
家中に響き渡る遊子の悲鳴から始まった。
布団から飛び出してバタバタと妹たちの部屋に飛び込む。
「どうした遊子!夏梨!」
「お兄ちゃんどうしよう!」
「ヤバいよ一兄!」
血相を変える二人の側へ駆け寄った。
半泣きの遊子の手元を見れば何か握っている。
よくよく眼を凝らして見て気づいた瞬間、一気に目が覚めた!
「嘘だろ!なんでだよ!」
「どうしよう!お兄ちゃん」
「とにかくお前らは支度しろ」
「一兄、姫姉は?」
「俺が声かけてくる」
「お兄ちゃんお父さんは?」
「ほっとけ!」
妹たちの部屋を出ると並びにある織姫の部屋をノックした。
コンコンコン コンコンコン
熟睡しているのか遊子の悲鳴でも連続ノックでも起きて来ない。
多少迷ったが緊急事態だ仕方ない。
俺は扉を開け部屋へと入ることにした。
案の定すやすやと布団の中で丸くなって寝ている織姫。
手にしてるのはなんだ?クマのぬいぐるみ?
そういえば確かエンラクとか言ったっけ?
ってそれどころじゃなかった!
「おいっ織姫起きろ!大変だ!」
「ん〜むにゃむにゃ…」
「起きろって!」
「…駄目だよ一護くん、その先には怪獣レッドハプーンが!」
何の夢見てるんだよ。
しかもレッドハプーンって何だよ。
「だから起きろってオイ!」
織姫の肩に手をかけて揺するとやっと目を開けた。
だがまだぼんやりとしてあらぬ方向を見た後にやっと俺に気づく。
「あれぇ一護くん?怪獣は倒したの?」
倒すどころか闘ってもねーよ。