パラレル Bleach

□Happening
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『Happening』・・・二人の距離


*・*・*・*・*


「いーい度胸だな黒崎兄妹!」

「「すっすみません…」」

クラス担任である越智先生は仁王立ちで俺たちの前にいる。

その俺たちと言えば静々と頭を垂れるしかなかった…。



それは約2時間前にさかのぼる。


「きゃー!大変っ!」

家中に響き渡る遊子の悲鳴から始まった。

布団から飛び出してバタバタと妹たちの部屋に飛び込む。

「どうした遊子!夏梨!」

「お兄ちゃんどうしよう!」

「ヤバいよ一兄!」

血相を変える二人の側へ駆け寄った。

半泣きの遊子の手元を見れば何か握っている。

よくよく眼を凝らして見て気づいた瞬間、一気に目が覚めた!

「嘘だろ!なんでだよ!」

「どうしよう!お兄ちゃん」

「とにかくお前らは支度しろ」

「一兄、姫姉は?」

「俺が声かけてくる」

「お兄ちゃんお父さんは?」

「ほっとけ!」

妹たちの部屋を出ると並びにある織姫の部屋をノックした。

コンコンコン コンコンコン

熟睡しているのか遊子の悲鳴でも連続ノックでも起きて来ない。

多少迷ったが緊急事態だ仕方ない。

俺は扉を開け部屋へと入ることにした。

案の定すやすやと布団の中で丸くなって寝ている織姫。

手にしてるのはなんだ?クマのぬいぐるみ?

そういえば確かエンラクとか言ったっけ?

ってそれどころじゃなかった!

「おいっ織姫起きろ!大変だ!」

「ん〜むにゃむにゃ…」

「起きろって!」

「…駄目だよ一護くん、その先には怪獣レッドハプーンが!」

何の夢見てるんだよ。

しかもレッドハプーンって何だよ。

「だから起きろってオイ!」

織姫の肩に手をかけて揺するとやっと目を開けた。

だがまだぼんやりとしてあらぬ方向を見た後にやっと俺に気づく。

「あれぇ一護くん?怪獣は倒したの?」

倒すどころか闘ってもねーよ。
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