Bleach Novel

□You and I [前編][後編]
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【You and I】・・・踏み出す一歩(織姫)


*・*・*・*・*


黒崎くんの時代が来た。

そう言っても過言じゃないくらい最近の黒崎くんは大人気だ。

「黒崎」

「黒崎くん」

「黒崎〜ここワカンナイんだけど」

突然の自習時間、黒崎くんの席に次々と女の子が集まってくる。

確かに黒崎くんはカッコイイし頭もいいしちょっとぶっきら棒なトコもあるけど

すごく優しいからあたしとしては今まで人気がなかったのが不思議なくらい。

でも…それは嬉しい事だけれど実はちょっぴりフクザツだったりする。

今までみたいにあまり黒崎くんと話せなくなってしまったから・・・

なんて、勝手な私の都合だよね。

黒崎くんが人気者になるのは良いことなのに。

今も賑わう黒崎くんの席を見るとなんだかちょっとセツナイ。

いいな…あたしも近くに行きたいよ。

せめて…と、つい彼の声に耳を澄ませてしまう・・・

「他の奴に聞けば良いだろ?」

「え〜他の奴って?」

「石田とか茶渡とか」

「駄目ダメ、あいつらって無口じゃん、黒崎がイイんだって」

「だから教えてよ」

なんだかんだで始まった即席勉強会。

本当黒崎くんて面倒見がいいよね。

「わかんないトコあるんならあんたも聞いて聞いてくれば?」

「たつきちゃん!」

背後から声をかけられて振り向けばニッと笑う大親友のたつきちゃん。

トンとあたしの机に手をつくとプリントを指さした。

「プリント、進んでないみたいだけど?」

「えっとその…これは別に…」

確かに全然進んでない…

集中できなかったのもあるけど今回のプリントは難しい気がする。
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