Bleach Novel

□放課後の教室で
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『放課後の教室で』・・・甘えたがりな彼女

*・*・*・*・*


放課後、誰もいない教室で一人井上を待つ。

部活はミーディングだけだから一緒に帰りたいと言った時の恥ずかしそうな顔を思い出し一人静かに口元をゆるめた。

やばい、今誰かに見られたら俺絶対アブナイ奴だと思われるな。

そろそろ終わった頃かと時計を見やり鞄を手に立ち上がる。

すると突然教室の扉が開いた。

「くっろさっきくーん!」

「ん?」

明るい声と共に待っていた彼女の登場である。

タイミングの良さに気を良くしニッと笑って片手を上げた。

そして口を開こうとしたその瞬間…

「ダーイブ!」

「ぐぁっ!!」

思いきり懐へ飛び込んで来る井上を俺は慌てて受け止めた。

何歩かよろめいたものの倒れないように必死で堪える。

そりゃもう男のプライドにかけて。

「おまっ危ねーだろーが!何すんだ!」

思いきり内臓に来たぞ今!

やばいだろ!全力過ぎるだろ!

なんなんだ一体!?

「えへへ〜愛情表現?」

やばい…可愛い。

照れながらも小首を傾げる姿は至近距離で見るには攻撃力が高すぎる。

しかも爆弾発言つきだからやっかいだ。

「なっ何言ってんだ!しかも疑問形かよ」

とっさに怒鳴ればニッコリと満面の笑みで返される。

逆にこっちが赤くなるっつーの。

「あのね、なんかいつも浅野くんが黒崎くんにこーゆー風にやってるの見てていいなぁって思ってたのです」

「お前…それ最後まで見てねーだろ…ケイゴをこんな風に受け止めてねーよ」

つーかむしろドツくかかわすかシカトするかしかしてないだろ。

「あれ?そうだっけ?そうだったかも?」

一瞬だけキョトンとしたもののすぐに顔をほころばせる。

あーそっか…なるほどね。

その顔をみて指先でツンと井上の額をつついた。

「お前…俺が絶対受け止めると思ってたろ?」

「…えへ、バレましたか」

バレましたかって…。

井上は俺の背後に腕を伸ばしギュッと体を抱きしめてくる。

柔らかい感触が胸元に押し寄せてきた。

えっと…い、井上サンこれは俺はどうしたら良んスかね?
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