短編

□涙のキス Sequel
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「ぬっりこーーー!」
バタンッ

「!
なによ、美朱じゃない…そんなに慌ててどうしたの?」


柳宿が部屋で一人化粧台の前でぼうっとしていると、美朱が勢い良く戸を開けたのだ。


「ううん、別に…用があるってわけじゃないんだけどね!
なんか柳宿最近元気ないなぁって思って…」

「あら、そう?
あたしはいつも通り元気よ?」

柳宿は美朱に無理矢理笑顔を向けてそう言った。

「柳宿…
そんな辛そうな顔して平気なわけないでしょ!?

翼宿と…何かあったの?」











柳宿は言葉に詰まった…
翼宿の名前を聞くだけで体がこわばる。

それに美朱に心配かけるわけにはいかない…

「美朱…本当にあたしは平気よ。
心配してくれてありがと」

「でも…」

コツン…

柳宿は自分の額を美朱の額とくっつけた。

「いい?美朱、あんたは人の心配してる暇なんてないでしょ?

あんたは朱雀召喚のことだけ考えて、鬼宿と毎日笑って過ごしてればいいの!
あたしは…大丈夫だから…」

柳宿は優しく微笑むとそう言った…

「柳宿が平気ならいいんだけど…
何かあったらいつでも言ってね!柳宿は私の大切な仲間なんだから…」

「ふ…ありがとう」

柳宿は美朱に笑顔を向けると美朱の頭を撫でた。

それははたから見ると恋人同士のようで…


















その様子を陰から翼宿が見ていたことに、柳宿は気付かなかった…














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