リボーン短編1

□雇用解除
1ページ/2ページ






 、そう。だからきみ、解雇。



なんていうか、僕としてはもうそうなることが普通っていうかそうする以外考えられないっていうか、だってそうでしょ。どうしてそんなに驚くの。
じゃあむしろ訊くけどきみはなに他になにかいい考えでもあるって言うのかい、ぜひお聞かせ願いたいものだよ。あるならね、他にいい案があるって言うならね。
ちなみに僕は別にかまわないんだよ、わざわざそんなことしなくたって。ただ、きみのために提案してあげてるの、どうせきみはそういう、これからのこととか人生のこと、とか?真剣には考えてないんだろうからね。不憫になって。この先どうするのさ。だってきみ、学生のときからずっと僕にまとわりついて生きてきて、きみにできることといえば、僕の町の治安維持の手伝いとか軽い諜報活動とか、部屋やデスクを片付けることとか美味いお茶を淹れることとか簡単な家事とか赤ん坊どもの子守とか、だろう?それだけでどうやって僕らの業界で生き残ろうって言うのさ。みんながみんな沢田綱吉みたいな甘いやつじゃないんだよ。それくらいはわかってるでしょ。
だからさ、大人しく僕の言うとおりにしとくべきだと思うな。ていうか、いつもきみは僕の言うとおりに動いてきたじゃない。僕に逆らったことなんてなかったよね、じゃあほら、今回も、僕に従うよね。さ、ここに署名して捺印して。
どうしてって?なんでそんなこと訊くの?もしかしていまの僕の話きいてなかった?きみってそんなに命を粗末にしたがる子だったっけ?まったく。
ほら、こんなにも筋道たてて説明してあげてるのに、まだ『どうして』なんて訊くような理解力のない子、部下として有能とは言えないでしょ。わかったかい?だったらはやくサインして判をおしなよ。きみのためにほかの面倒な記入や必要な手続なんかはもう済ませておいてあげたんだから、感謝しなよね。きみは自分の名前かいて、判子おすだけでいいの。ほら、解雇解雇


次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ