キミは私にとっての…   オボロ 銀魂

□0 プロローグ
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「キミはこの家の次期当主だから、キミ自身を愛してくれなかったとしても、これからも変わらず大切にしてもらえると思うよ?」

 赤紫の髪の青年は、目の前の少年をしっかりと見据えて言う。
 その言葉を受けた少年の口端が上がる。

 「確かに、ここに居る限りは役目を果たしてさえいれば愛はなくとも生きるのには不自由はないですね。…でも私は姉様から本物の愛を貰ったんです…誰かを想うという気持ちも…。
今更ハリボテの愛など私に必要無いんですよ。姉様さえ居てくれたら、もう…もうそれだけで良いから。」

 少年は、初めはにがそうに…でも段々と優しい表現になっていった…。

 お姉さんを想っているのだろう…。

「本物の為になら偽物は捨てることが出来る…か…。」

 その言葉に少年は「くすっ…」と笑う。

「だから、その為の努力は惜しみません。例えアク●とだろうが、伯●とだろうが、貴方みたいな不審人物とだって『契約』して死に物狂いで守りますよ。」

「…というかオレも不振人物じゃなくて悪魔なんだけどね?悲●き悪●兵器でもないけど。」

 それを聞くと、少年は何故か楽しそうに笑った。

「どうして笑うんだよー。」

「D●レ、知っているんだなーと、思っただけですよ。」

 少年の言葉に、何だか気まずくなり、頭に手をつっこんで『ガシガシ』と掻いた。

「漫画読むの結構好きだからね。…行きたい物語の世界はどれがいい?D●レ?」

「そうですね…D●レも好きですけど、銀魂の方が好きなので、送る物語は銀魂でお願いします。D●レは姉様には危なそうですしね。」

「危なさそうって…お姉さんよりも弱いよね?この間もお姉さんにしごかれていたような気が…。」

「…とにかく、話を進めません?」

 悔しそうな顔をして話を逸らす少年。気にしている事なのだろう。

 それ以上はつっこまず、溜め息をこっそり吐いてから手に持っていたソレを投げつけた。
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