悪・人・天・魔 〜トリップ会社〜 オリジナル

□♪ニ♪ セツメイ
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サキュバ:「どうした?皆疲れたような顔して?」

 ニヤニヤしながら言っているので誰がどう見ても確信犯だと分かる。

ソラグモ:「……物語と言う事は、戦う力が必要な物語もあるのだろう?非力な人間では頼りない、そういう時は私達が戦ってもいいのか?」
レクス:「無理だよ〜。」
ライズ:「なんで?」

サキュバ:「人間達が作り出した物語の中ではお前達は人形を形代として置いて、それに憑依する事になる。」
レクス:「力も蚊のとまる程度な上に歩くスピードは…トコトコみたいな感じかな…」
サキュバ:「ま、飛べるけどな。」
レクス:「速さはチョウチョくらい〜」

 ニヤニヤニコニコ笑う死神2人。
 悪魔も天使も皆、血の気が引いたように真っ青になっていた。
 動じてないのはマスターくらいで「面白そうですね(笑)」と、楽しそうだ。
 人間よりも遥かに弱くなるというのに楽しんでいるマスターは、限りなく死神達に思考が似ている…と本人達以外は心の中を揃えていた。

サキュバ:「ククク。見事に真っ青だな。そう心配しなくとも、人間達の創った物語の世界ではお前達に死はない。」
レクス:「あと〜、1グループ、3回だけ元の姿、元の力で戦えるよ〜。主要人物は殺せないけどね〜。」
駆狼羽:「主要人物というのが、何処までがそうなのかよく分からないのだが…」
サキュバ:「殺せない奴がそうだ。」
クロウ:「分かり易いなぁ。」
サキュバ:「あと、先にも少し言ったように、グループ制だ。」
紅:「…僕達で決めれる?…」
レクス:「残念〜もう決まっているんだ〜。」

 そう言って、サキュバとレクスはおもむろに紙を取り出すと読み始めた。

サキュバ:「Aチーム、亜久波(悪)・菜天(天)・駆狼羽(悪)・クロウ(天)だ。」

レクス:「Bチーム、紅(悪)・セピア(天)だよ〜。」

サキュバ:「Cチーム、ライズ(悪)・マスター(天)だ。」

レクス:「Dチーム、涼瑞(悪)・レム(天)〜。」

 言い終えた途端、怒鳴り声が上がった。

セピア:「ちょっと待って下さい!!どうして天使と悪魔が同じチームなのですかっ!!」

 憤りあらわに言うセピアだが、死神達は何処吹く風だ。

レクス:「しかたないね〜。1チームに均等に悪魔と天使を入れることは、女神達が決めたんだしね〜。」
サキュバ:「あ、そうだ。同じチームの奴が担当している人間が死んでもアウトだからな。一応協力しろよ。」

 たて続けに言われ、納得はできないものの、何とか抑えてセピアは引き下がった。
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