for

□シアワセノオト
3ページ/3ページ






ソファに並んで、ぴたりと寄り添って。
聞こえる音は、窓の外のクラクションと車のエンジンだけ。
ザックスが買ってきたゼリーを食べた後は、言葉を交わすこともなく、ただ手を繋いでいた。
背の高いザックスが、俺の肩に頭を預けてくれている。
それだけでも、確かに幸せではあるのだけれど。



「…な、ザックス」

「ん?」

「誕生日、おめでとう」



囁くように言えば、ザックスは一瞬驚いたような顔をして。
嬉しそうに、微笑んだ。



「さんきゅ、な」



それは心底幸せそうな表情であるのに、なぜか悲しそうにも見える。
どうして、そんな顔をする?
俺は、あんたの笑った顔が見たいだけなんだ。



「ザックス」



撫でた頬に、残る疵痕。
泣き腫らした瞳で、大きな剣を握り帰った雪の中。
あの日から、ずっと思っていたこと。
俺の前でだけは、強がらないでほしい。
泣いてもいい。
辛いことも、楽しいことも。
何だって、分かち合いたいんだ。



「誰よりも、あんたのことが好きだ」



だから、もっと。
俺に、笑顔を見せて。



「……俺、今、すげー幸せ…」



笑った顔。
幸せそうに。
潤んだ瞳。
零れた涙。



「ザッ……」



呼びかけて、抱き締められて。
そのままソファに縺れ倒れて、一度だけキスをした。
触れる、柔らかい唇。
離れていって見えた表情は、幸せそうな笑顔。



「俺も、大好き」



胸に頭を押し付けられて。
呼吸をするたびにザックスの髪が頬を撫ぜる。
高鳴る鼓動が、きっと聞こえてしまう。
いつも俺ばっかり、こうなんだ。
一人で焦って、一人で悩んで。
ザックスを困らせてばかりだ。



「…幸せだよ、俺。世界で、いちばん」



囁かれた言葉。
耳を擽る甘い響き。
くしゃりと髪を撫でれば、目を閉じて微笑む。
誰よりも、ザックスが。



「俺も、幸せだよ」



僅かに聞こえる吐息も、いつまでも落ち着かない心臓の音も。
何もかもが、幸せの音なんだ。
短い髪に指を絡めながら、そっと額に唇を落とし。
世界で、いちばん。
そう、付け加えた。











End...




+++++++++++

ほのっぼのしてねェエ…!(ガフン
その上にリードされてる…!(ゴフン
いっいい睦月さまっ、本当に申し訳ございません…!(土下座
もう…どこで道を間違えたのかわかんないです…
あんまりにリクエストとかけ離れているような…そんな気がするのは気のせいじゃないと思います…(修正がきかなかった
ていうかこれ…クラザ…?ザックラ…?orz
視点が交互で見づらくて本当に申し訳無いです…
いつでも返品などなどお受けいたしますので…!
それでは、相互ありがとうございました!


2008.6.26


前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ