キリ番

□恋は故意にて請うもので
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問題です。

仕事でヘトヘトに疲れて朝帰りした時、自宅の前になぜか半裸の片思いの人がいました。
さて、次のうちどれが最も正しい選択でしょう?

@その場で押し倒す
A自宅に連れ込んで押し倒す
Bそっと毛布をかけてあげる

任務帰りの疲れた頭を最初に過ったのは、こんな馬鹿げた選択肢だった。






















恋は故意にて請うもので























「おっはよーございまーす!」



元気いっぱい、なぜか上半身裸のザックスが、ドンドンと扉をたたいている。
嫌がらせか。
お前の馬鹿力でそんなに叩かれるドアの方が可哀想だ、なんて考えながら、レノは盛大に溜息を吐いた。



「おい、ザッ……臭ッ!お前、酒飲んできたな!」

「モーニング、レノ大佐!」

「誰だよ!ていうか服着ろ!」



ぎゃあぎゃあと喚くも、今がまだ明け方だということ、ここがマンションの一室の前の廊下だということを思い出して、レノは頭を抱え、鍵を開けた。
ザックスはといえば、やけに上機嫌にレノの後に続いて部屋に入る。



「レノー!」

「何ですか、と」

「風呂貸して!」



ザックスの言葉に、激しい頭痛を覚える。
あぁ、こいつはいつもそうだ。
任務明け―非番の前日は、朝まで女性社員やら何やらと酒を飲んでは、酔っ払ってレノの部屋に来る。
ベッドを占領しては二日酔いに頭を抱え、その上迎え酒を要求するこの男に、いつも振り回されるのだ。



「…タダで世話するほどお人好しだと思ってんのかよ、と」



レノの言葉に、まだ酒が抜けきらないのか、ザックスは少し上気した顔で笑った。



「お願いですぅー」



わざとらしくぶりっこをするザックスの額を小突いて、堅苦しいネクタイや背広を脱ぎ捨てる。
ゴーグルをベッドに放り出して、腕を引いた。



「酒臭いのが抜けるまで、ベッドには上がるなよ、と」

「はーい」



風呂に向かって歩くレノに連れられて、ザックスは楽しそうに笑った。








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