種運命小説【壱】

□そして彼は空を見上げる
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「んっ…ァあ…///」

気持ちの良い熱が下半を襲ってくると頭が芯からぼうっとする。

中心から全身が麻痺しているような感覚がして。

そういえば、何故自分はこんな事態に陥ったのだろうか。
シンは低下に低下を重ねた力を搾って考えてみる。


全ては目の前で呼吸を乱している、この上司兼恋人が原因なのだ。




今から十数分前。
フリーダムのコックピットにて。

「んくっはぁ…///」

シンはキラの機体の中でひたすら自慰に耽っていた。
他人の、ましてや大好きと豪語しているキラが戦闘中に座る席で、淫らな行為をしているというだけでシンは更に煽られる。

特筆すべきは別に彼にそのような方向の趣味があるわけではない事だ。
事の経緯はこう。

シンはキラに頼まれたOS整備を片付けていた。
本来は自分の仕事外のものだが頼み込まれた揚句、「僕がやるより君がしてくれた方が安心出来る」なんて言われた手前断れない。

結局、惚れた弱みというやつでシンは首を縦に振った。

最初は他人の機体を扱う事に付き纏う責任感が仕事を遅延させていたが、慣れというものは知らない間に浸透するもので。
段々と迅速に片付けられるようになったのは昨日今日の事ではなかった。
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