種運命小説【壱】

□リアトリス
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「今夜も部屋行きますから」

誰にも気付かれないように囁く言葉は渦中の人の鼓膜にだけ響く。
其の言葉は脈に異常を来し動脈と手首が嫌な感じに痺れた。折れ掛かった枝のように多少不自然に首を縦に揺らす。

「…うん」

深紅が空気を貫いて。


――…


「ひゃっあぁん!ふあっ熱いよぉ!!いやぁっ」
「ッく…うるさい!少しくらい黙れ!」

ごぷごぷぅっと音を立てて勢い良く子宮に白濁液が流れ込む。未だに出て止まない其れは熱くねっとりと内壁に絡み付き奥まで満たしていく。
何回目かも判らない種付けを終えるとシンはゆっくりペニスを引き抜いた。間髪入れずに茶髪を引っ掴み愛液と精液で濡れた先端を頬に擦り付ける。柔らかい皮膚にひくひくと尿道が反応を示すのが判った。残っていた精液が軽く吹き出てキラの頬を汚す。

「舐めて下さい」

性的熱を孕んだ声が命を下す。常時自己主張の光を携えるシンの紅は髪の毛に隠れて見え難く感情が読み取れない。
得体の知れない恐怖を頭隅で感じながらキラの舌が其れに伸びた。望む侭にぬめる熱い表皮を舐め上げるも独特の匂いに意識が飛びそうになる。

「はむっ…んっんっ…」
「ん…はぁっソコだけじゃない。判ってんだろ?全部舐めて綺麗にすんだよ!」
「ああァっ!するっするからッ…お尻の穴はらめぇ!」

既に開発されている蕾でもやはり未だ抵抗はある。突然入り込んだシンの中指の感触に泣き叫ぶと直ぐに再び股間に顔を埋めた。
先端を緩く舐め転がした後、睾丸の隙間から陰毛に至るまで舌を擦り付ける。何とも言えない性の香りが脳内に麻痺を呼び起こした。収縮を繰り返す秘部からは涎の様に白濁が零れてはシーツに染みを作る。
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