08/31の日記
23:59
IF..8
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かなり久しぶりの日記ですね…。(遠い目
日本語 :【】
こちら語:「」
名前
┗帝架
―――――――…
〜ロク〜
敵意というか、怒気とでもいうのか、私はそういう感情を向けられるのが、とても苦手だ。
身がすくむ。
突然のことに固まっていると、男がギョッとしたように一歩後ずさった。…どうしたんだろう。
「なっ、お前女か!」
何か叫んだのだが、生憎と言葉が分からないのだ。
頼むから誰か通訳してほしい。もしくはドラ○モンの秘密道具のひとつである例のコンニャクをくれ。
男はなぜか知らないが青ざめちゃっている。怯えているような気がするのは私の気のせいだろうか。…気のせいだよね。なんで私に怯えるのかが分からないし。
端から見たら、もしかしてこの光景って、私が暴漢魔かはたまた男装したストーカーで、男が被害者に見えてしまうのだろうか。……いやいやいや。私の考えすぎだっての。
【あの、私、アナタの言ってること、分かんないんです】
とりあえず、言葉が通じないということを伝える。
すると男はビックリしたように目を見張った。
さっきから睨んだり青くなったり驚いたり、表情がよく変わるねこの人。
「お前、言葉が…」
ぽつりと何かを呟き、バツが悪そうな顔をする。
そこから先は気まずすぎる空気が私たちがいるこの空間を支配した。
私はここの言葉を喋れないので、この現状を打破すべき言葉はかけられない。というか、その前に何を話したらいいのか分からない。てか分かるか。
そういえば、ご飯を食べていた時、葉さんが言っていた言葉をリピートしてみてはいたが、あれは絶対、噛んでいた。微妙な発音だったに違いない。だってあの時の葉さんの顔といったら!…生温い視線で見られてたよ。
少しヘコむ。
「お、おい…大丈夫か」
俯いていると、男の声が存外近くから聞こえ、驚いて顔を上げれば、やはり近くにいた男がビクッとする。いや、だからさ。なんでさっきからこの人私に怯えてるんですか。
普通、逆じゃないの?
と、思ったが、この時、私に天啓のごとくとある考えが降った。
【……まさか、李絳攸?】
は?そんなまさか。でも、この容姿とか迷子(だよね…)になってる辺りとか、もうピタリと一致しちゃってるよね?
葉さんに続いてまたキャラに出会すとは…。私って、運がいいのか?
質感というか、リアルなもんだから、全然気づかなかった。葉さんもだったし。
……ああ、まあ、彼が李絳攸じゃなかろうが、私の中では君は李絳攸だ。うん、今決めた。
独断と偏見と横暴な思考によって決定した『李絳攸』の腕を―――掴んだ。
すると、ヒッと小さい声が上がったが‥‥彼の名誉の為に、聞かなかったことにしよう。
ジー、と見つめれば、『李絳攸』の瞳が恐怖に揺れる。
‥‥‥‥この人どんだけ女が恐いんだ。
自分でもこんな大胆な行動とってる自分に驚きだったりする。
正直言って、頭の中がパニック状態。いや、混乱の瀬戸際。とりあえず、頑張れ私。
何をするかと言えば、まあ、簡単だ。
この『李絳攸』を、往来の道まで案内する。
「な、なんっ」
『李絳攸』が何か口走っているが、言葉が分からないのでとりあえず無視。
自分を先頭にグイグイ引っ張って、歩いてきた道を逆に辿っていく。迷子になったら困るので、ちゃんと道順は覚えている‥‥‥はず。
意外と抵抗がないな、と疑問が湧いたので、チラリと後ろを見れば、眉間にシワ寄せた麗しい顔台無しな顔が視界に入る。…マジで怖い。
(早まった…)
後悔するも、やっちまったのは仕方ない。パクパクいくチキンハートを必死に鎮めようと、気づかれないように深く息を吸い込み、ソッと吐き出した。…ダメだな。収まらん。
(だいたい、私は小心者なんだよォオオオ!!!)
心の中で叫びつつ、この永遠に続くかと思われた道にようやく終わりが見えた。言うは易し行うは難し。もう、二度とやりたくない。
ガヤガヤと騒がしい、往来。(あれ?目の錯覚かな光って見えるよ)
パッと手を離して、私は後ろを振り向き『李絳攸』を見る。
『李絳攸』はポカンとした顔をしていた。
そういえば、李絳攸は鉄壁の理性とか自称してるけど‥‥‥さっきから表情変わりすぎだと思う。そんなんでいいのか。
ここで留まっても、双方になんの意味もないので、私は軽く頭を下げ、人ごみの中に入っていった。
またもう一度、チラリと見れば、何やら焦った顔をしていた。
だが、その理由は知らないし、私には関係ないことだと思い、必死に葉さんの家への道順を思い出しながらなんとか帰ってくることができました。
「なんじゃ、中にいると思っとったが、外におったのか」
中に入ると出会い頭に葉さんに何か言われたので、恐らくお帰りとかそんなことを言われたんだろうかと適当に推測し、私は頭を軽く下げた。
【ただいま】
けっこう、順応してきたかもしれない。
つづく
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