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□落花流水
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知り合いがそうなったからって。
まさか自分もとは、全然考えてなかった。
『落花流水』
「……赤ちゃん?」
「うん、出来ちゃったみたい」
黙っている訳にもいかないので、ゆうちゃんへご報告。もしかしたら浮気したとか思われちゃうかもしれない…普通は、同性で出来るはずないんだもん。
「あのね?信じてもらえないかもしれないけど…父親?は、ゆうちゃんだから」
「………」
ゆうちゃんの視線が私のお腹にいって、また顔へ戻ってきた。その顔はお仕事の時より真剣そのもの。
「っ…野中さん!」
「はっ、はい!?」
肩を思いっ切り掴まれた。あ、やっぱり信じてもらえなかったんだ。きっとゆうちゃんに怒られ――。
「絶対に幸せにします!結婚しましょう!!」
………はい?
「ちょっ、ちょっとゆうちゃん!」
「何でしょうか?」
「その、さ…疑ったりしないの?」
何と言うか、予想外だった。いや、ゆうちゃんの行動を予想する方が難しいかもしれないけど。
「しませんよ?疑う必要なんてありませんから」
「でも女の子同士なのにっ…」
「ですが、奈々さん達も同じでしたし」
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