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□三嶋さんちの動物事情
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ここはとある場所にあるお家。
黒いわんこと黒いうさぎさんが、仲良く飼われていました。
『三嶋さんちの動物事情』
「ゆかりさーん♪」
黒い尻尾をパタパタさせているわんこ。小さいですが成犬です、もう大人なのです。
どんなに言動が幼くとも、黒いわんこは大人なのです。
そんなわんこが大好きなのは、同じお家で飼われている黒いうさぎさん。
「どーかしたの?奈々ちゃん」
「あのですね、一緒に遊びましょ!」
「いや」
ウキウキしながら差し出したボールをペシッと落とされました。
「ふぇぇ…」
わんこの瞳がウルウルしてきました。ですがうさぎさんは気にすることもなく、またのんびりとクッションの上に転がります。
実はこのやり取り、日常だったりします。
「ゆかり…またお奈々にやったんか」
やれやれと、わんこの頭を撫でたのは飼い主の三嶋さん。うさぎさんは一瞬だけ三嶋さんを見ますが、やはり動きません。
「お奈々も泣くな。ほら、俺が遊んでやるからな」
「ひっく…ぁぃ」
落ちてたボールを拾い上げ、三嶋さんが投げます。それをトテトテと老いかけるわんこ。
うさぎさんは気になるのか、ちょっと視線を向けています。
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