commemoration request
□師走の終わり
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年が明け、初めて見るのはあなたの笑顔。
『師走の終わり』
師が走るほど忙しい12月。
そして今日は、新年を迎える前日。
「ふみゅ…スゥ…スゥ…。」
コタツの中で、気持ち良さそうに眠っているゆうちゃん。そしてその隣で、ゆうちゃんを見ている私。
「私とゆうちゃんは、とっくに準備しちゃったものね。」
もとより私もゆうちゃんも、どちらかというとやっとかないと気が済まない性格。
今もキッチンでは年越しそばを茹でている。
「…っと、そろそろ起こさないと。」
そばも出来た頃だし、何よりこのままでは朝まで眠っちゃうだろう。それじゃあ本末転倒だ。
「ゆうちゃん、起きて。」
「んん…かん、だ、ひゃん…?」
「ほら、このままだと新年になっちゃう。」
のそのそと起き上がり目をこする姿が可愛くて、思わず笑みを浮かべてしまう。
「ゆうちゃん、おそば食べよう?」
「はい、神田さん。」
「うわぁ〜、玉子さんがいます!」
「これじゃ月見そばかな?」
「私、月見そばさんも好きです♪」
きちんと「いただきます」を言って、私とゆうちゃんはおそばを食べる。目の前の彼女が食べる姿は、本当に幸せそうだ。
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