commemoration request

□師走の終わり
1ページ/3ページ



年が明け、初めて見るのはあなたの笑顔。


『師走の終わり』


師が走るほど忙しい12月。
そして今日は、新年を迎える前日。

「ふみゅ…スゥ…スゥ…。」

コタツの中で、気持ち良さそうに眠っているゆうちゃん。そしてその隣で、ゆうちゃんを見ている私。

「私とゆうちゃんは、とっくに準備しちゃったものね。」

もとより私もゆうちゃんも、どちらかというとやっとかないと気が済まない性格。
今もキッチンでは年越しそばを茹でている。

「…っと、そろそろ起こさないと。」

そばも出来た頃だし、何よりこのままでは朝まで眠っちゃうだろう。それじゃあ本末転倒だ。

「ゆうちゃん、起きて。」
「んん…かん、だ、ひゃん…?」
「ほら、このままだと新年になっちゃう。」

のそのそと起き上がり目をこする姿が可愛くて、思わず笑みを浮かべてしまう。

「ゆうちゃん、おそば食べよう?」
「はい、神田さん。」


「うわぁ〜、玉子さんがいます!」
「これじゃ月見そばかな?」
「私、月見そばさんも好きです♪」

きちんと「いただきます」を言って、私とゆうちゃんはおそばを食べる。目の前の彼女が食べる姿は、本当に幸せそうだ。

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ