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□赤い糸
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一度は切られて、再び結び直してもらったあなたとの縁。
それは強く、太くなって。
かけがえのない絆になった…。
『赤い糸』
全てが終わった、あの日。目覚めた私が最初に見たのは、私を見つめる烏月さんだった。
「目が覚めたかい?桂さん。」
「うん…。」
返事を返すと、心配そうだった烏月さんの表情が和らいだ。
「…良かった。」
「きゃっ……。///」
突然抱きしめられて、少し驚いた。
烏月さんに抱きしめられてる、そのことだけで頭が一杯になって。
だけどしばらくして私は気づいた。
「えっ…?」
私を抱きしめる彼女の身体は、小さく震えている。
そして聞こえてくる、微かな嗚咽。
「良かった…無事で…。」
こんな烏月さんを見るのは…初めてだった。
「あの時みたく…なってしまったら…。」
「烏月さん…。」
私は烏月さんを抱きしめ返す。
烏月さんはノゾミちゃんの術のせいで私を切った。
それが…烏月さんを苦しめている。
「大丈夫だよ、烏月さん。烏月さんは私を助けてくれたんだよ?」
主の分霊を「鬼切り」で切ったのであって、私を切ったわけじゃない。
「私は烏月さんを信じてたから…。」
「桂…さん…。」
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