negima!?・lyrical nanoha

□この想い、胸に秘めて
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なのはは慌てて離したので、私はすぐに目を閉じて眠ったフリをする。
「起きてない…よね?」
私の様子を窺うなのはの声。
私は手を動かし、なのはの服の裾を握る。
そして寝言に見せかけて…小さく呟いた。

――……好き。

‡‡‡‡‡‡‡‡‡

胸が震えた。

「好き……。」

――…フェイトちゃんは…『好き』って言ったの?

告白。
私にじゃなく、夢の中の誰かへのもの。
こんなの見ていたくなかった。
「起きて、フェイトちゃん。」
「んっ……あれ?」
ゆっくりと目を開け、私を見つめてくる。
「そっか…私、眠っちゃったんだ。」
「うん……。」
苦笑しながら、私から距離をとるフェイトちゃん。

――…これが私とフェイトちゃんの距離なんだ…。

「フェイトちゃん…好きな人、いるの?」
いつの間にか、そんなことを聞いていた。
フェイトちゃんの表情は…悲しみを湛えた笑みだった。

「私とじゃ…幸せになれないから。」

そしてたった一瞬だけ…。

――……えっ?

頬に感じた、柔らかい感触。
先程まで触れていた…フェイトちゃんの唇。

「今はまだ…伝えられないんだ。」

私は…全てを理解した。
フェイトちゃんが私の想いを知っているということ。
そしてフェイトちゃんもまた――…。
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